第六回:いびきと睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは何でしょう。下のようにいびきが重症化した病気と考えていただくとよいでしょう。 睡眠時正常呼吸 ↓ 軽度のいびき ↓ 中等度のいびき ↓ 上気道抵抗症候群 ↓ 睡眠時無呼吸症候群 この睡眠時無呼吸症候群につながるいびき、悩んでいる人が意外に多いことに驚かされます。成人の約3割の人がいびきをかいており、その数は年齢が上がるとともに増加して、50歳以上では約半数、つまり2人に1人はいびきをかいているというのです。しかし、その一方でいびきはかいていても、それが健康に被害をもたらす危険性があると思っている人はたいへん少ないのが実情です。 いびきの原因と為害性についての説明をする前に、そのメカニズムを理解しておく必要があります。鼻・口から声帯までの空気の通り道の一部に狭くなっているところがあれば、構造は「たて笛」と同じになります。そのたて笛から出される騒音がいびきの正体です。たて笛を作る原因(通路の一部を狭くする原因)はおよそ下のようにまとめることができます。 1. 肥満 2. アルコール 3. 薬物(睡眠薬、精神安定剤など) 4. 鼻疾患(アレルギー性鼻炎、鼻茸、鼻中隔弯曲) 5. たばこ 6. 咽頭扁桃、口蓋垂(のどの部分)の炎症や肥大 7. 年齢(年齢が上がるとともに発生しやすい) これに私たち歯科医師と関わり合いの深い8.『下顎(したあご)が小さい』ことの中から1つ、あるいは複数の原因からいびきが発生するようになります。 このいびきは 1. 夜間の呼吸停止 2. 日中の過度な眠気 を二大症状とする睡眠時無呼吸症候群(SAS)へと進行する場合があります。SASのその他の症状として ・ 疲れがとれない ・ 集中力の低下 ・ 朝起きたときの頭痛 ・ 夜よくトイレに起きる ・ 眠った感じがしない ・ 口が渇く ・ 年齢(年齢が上がるとともに発生しやすい) ・ 胸焼け などがありますが、SASが怖いのはこれら以外に ○ 高血圧症 ○ 脳血管障害 ○ 虚血性心疾患 ○ 糖尿病 といった重大な合併症が多くあるという点です。 「いびき」と非常に怖い「睡眠時無呼吸症候群」を有効に治す歯科的な治療があります。装置(俗にスリープスプリント)といわれるものを歯科医院で作ってもらい就寝中装着しておくというものです。上で述べたいびきの原因の8.、下顎が小さいことが主要な原因を占めると言われる日本。適切な装置を普及させることで悩める多くの日本人を救うことができるはずです。 最後に日常わりと簡単にできることでいびきの予防として効果があることを挙げておきます。 1. 横向きで寝る(パジャマの背中にテニスボールなどを縫い合わせる) 2. 減量(ダイエット) 3. 禁酒・禁煙
睡眠時無呼吸症候群とは何でしょう。下のようにいびきが重症化した病気と考えていただくとよいでしょう。
▲TOPへ