「歯科矯正治療を行う最大の理由は美的改善である。」とNorman Kingsleyが言っていますし、矯正治療大国のアメリカ、日本を含めほとんどの国でこの"美的改善"のためには永久歯の抜歯もやむなしで、歯を並べることを治療の優先順位No.1とされてきました。
当院では、なぜ不正咬合になるのか(歯並びが悪くなるのか)という原因に着目し、その大元(おおもと)にアタックすることで長期に安定した歯列を獲得できる矯正治療を行っております。
子供の顔面・頭蓋の成長を考えたときにボールが膨張する現象をイメージしてみてください。
上顎は水平方向に、下顎はやや前下方に成長するとボールのようにキレイに大きくなります。
歯並びの悪さを訴えて来院される患者さんは、この膨張ができていません。例外なく、水平方向(前方)への成長が不足し、代わりに下方への成長量が増えてしまっているのです。
特に上顎の下方への成長が主な原因となり、その後の『舌の位置』により、さまざまな不正咬合に変わっていきます。なぜ、前方に十分に成長せずに、下方成分の方が勝ってしまうのかという原因はまだはっきりわかっていませんが、この下方に降りてしまった上顎骨(本当は顔面・頭蓋全体なのですが)を本来あるべき位置に再配置することなしに、歯だけを並べてみてもまたは並びが悪くなる、『後戻り』という現象が、かなりの高確率で起きてしまいます。
生理的な発育にもっていくこと、つまり顔面・頭蓋の成長を誘導することをフェイシャルオーソトロピクス(Facial Orthotropics)、自然成長誘導法と呼んでいます。この方法を取り入れることで、歯並びはもちろん、咽頭部(空気の通り道)を広くする、顔の自然観など改善することがわかっています。
治療前と治療後の顔を比較してみて下さい。
中顔面(額(ひたい)から口元にかけて)が、前方に十分成長し、それに伴い下顎を縮めることなく
反対咬合も解消されています。
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治療前には左右両犬歯がはえるスペースがほとんどありませんが、治療後、余裕を持って犬歯がはえるスペースを獲得できています。
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治療前 |
治療後 |
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治療前 |
治療後 |
RAMPAという治療用装置が使用できるようになったことで、治療可能な治療開始年齢の幅が大きくなりましたが、患者それぞれが、理想的な顔貌(がんぼう)を得るためには6,7歳、遅くとも10歳前には開始したいものです。
日本人は欧米人と比較して、明らかに上顎骨の前方発育が悪い人種です。下顎は上顎骨の影響を大きく受けるということを考えれば、最初から歯並びには不利な骨格なのです。
脳頭蓋とつがなっている上顎骨は基本的にほとんど動かない、拡大できる量も限られているとした考え方の従来の矯正治療では、スペースが足りなければ永久歯抜歯からの治療になる可能性が高くなることはいたしかたありません。
当院で行う治療は基本的に非抜歯による矯正治療です。もっと言えば、歯並びよりも、はるかに大事な『異常な呼吸の改善』『理想的な呼吸路(気道)の獲得』に重きを置いた治療を目指していますし、慢性的な鼻疾患を有するほとんどの患者さんで症状の改善が得られています。
すべての治療で精度が高い治療を提供できていると自負していますが、この頭蓋・顎顔面・口腔咽頭全体を改善できる治療は、患者さんの健康増進に直結する、長い人生を豊かにする治療であると考えています。